コラム 日本代表

北朝鮮に辛勝。。。剝がれてきた森保JAPANの主体性を重んじる戦術

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今月21日に2026W杯アジア2次予選、ホームに北朝鮮を迎え1-0で勝利した。
前半2分に田中碧が先制点を決めて幸先の良いスタートを切った。
その後も堂安律を含む決定機を迎えるが得点には至らず。後半には北朝鮮のロングボールを主体とした攻撃、ラフプレー交じりの気迫に苦しめられながらもなんとか1点を守り抜いた結果となった。

縦の突破の無い堂安ではDFラインを割ることは出来ず、左の前田は縦には仕掛けられるがそこからタメやえぐるまでの鋭さは無いため中の準備が出来る前にクロスを上げる展開となり、真ん中の上田がオフザボールの駆け引きに長けている訳でもないため攻撃の脅威さは見られない。
DFラインは後ろにスペースを残すことを嫌い、ラインをコンパクトに保てない。後半の2ndボールの回収率が表していた。

アジアカップを含めどうもW杯の面影が見られない森保JAPAN
それもそうだろう。森保監督の手腕と評価の上がるキッカケとなった、何故か森保監督の手腕扱いになった、W杯日本代表の躍進のキーマンとなる3人がW杯以降コンスタントに出れていないからだ。そして、今の代表のスタイルはその3人がいて成り立つスタイルのままであるから苦戦している。
三苫・冨安・伊東


この3選手が抜けたら現状の戦術だと今までの日本代表とさほど変わらない。
それほどまでに影響力の高い3人だ。
三苫・伊東は今の日本代表に無い縦への突破力が持ち味であり、ペナルティ付近からも仕掛けられる圧倒的な1vs1能力。
これがドイツやスペインを苦しめてきた。
この両サイドを相手は警戒するとどうしても中央が空き、スライドが遅れる。何よりも警戒されても対人で負けない2人だった。
これは裏を返せばパワープレイで相手の戦術を崩したということで、ここにタクティカルな面は無いに等しい。
勿論、久保・堂安・鎌田辺りのサポートの影響はあるがこれはチームの戦術というよりも個々の瞬間的な判断、トップリーグでやっている者同士の感覚で賄っていたにすぎない。

冨安に関しては、森保JAPANのDFラインの全てを彼が担っていたと言っても過言ではない。
高い1vs1守備能力・広大なカバーエリア・空中戦の強さ
アーセナルでもその実力を示してきたからこそW杯で傑出したパフォーマンスを発揮していた。
問題視されていたSBのクオリティ不足が気にならずに済んだのもカバーにいる彼の存在の影響だ。

結果、冨安のカバーエリア・三苫・伊東の突破力を活かすサイドエリアのスペースを空けるためにDFラインは下がり、攻撃陣はサイドにボールを集めるが1vs1に長けているわけではないため、最後のフィニッシュデザインが作れない。聞こえの良い主体性という名のマンパワー戦術に頼ってきたからこそ今のクオリティ不足が顕著に表れている。
ただ、このクオリティ不足も決して選手の質の問題というわけではない。
ラ・リーガで傑出した成績を残し続ける久保や、欧州でスタメンに名を連ねている選手は多い。
上記の3人ほどマンパワーで行くタイプではないが、それぞれの長所を活かせればW杯以上のクオリティを見せる可能性は秘めている。
ベースの戦術(戦術というほどのものでは無いが)が3人がいる前提になっていることが問題であり、久保・堂安・鎌田等連動性を重視したメンバーでの戦術をベースとした上で、三苫ら3人のクオリティがスパイスとなる形が好ましい、なんならそれが当たり前のチーム作りではある。
これを問題から外し続けてきた森保監督に出来るのか疑問ではあるが、行く末を見守っていこうと思う。

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