遂に開幕したプレミアリーグ。
リヴァプールは開幕戦で昇格組のイプスウィッチと対戦。
前半からプレミア初試合ともあって積極的に仕掛けてくるイプスウィッチに苦戦しながらも、しっかりとした対応で初戦を見事勝利で納めた。
■前半
お互いにフォーメーションは4-2-3-1
前線4枚がDFラインにプレッシャーをかけるのは一緒だが、前半でカギとなったのがフラーフェンベルクのアンカーの役割だ。
【リヴァプール攻撃時】
イプスウィッチはチャップリンをフラーフェンベルクに、デラップにはクアンザーをマンマークにしていた。
最初からプレスを仕掛けず4人で中央を消し、ファン・ダイク～フラーフェンベルフ間のラインを消す。
リヴァプールが左サイド側から右にパスを回し始めたタイミングでプレスをかけに行く。狙いはクアンザーの位置だ。
デラップの強力なプレッシャーにクアンザーは急いで前線へ送るが、そこはイプスウィッチも狙い通りに人数を揃えている。
リヴァプールは攻撃時に要のフラーフェンベルフを綺麗に消されていた。
【リヴァプール守備時】
イプスウィッチは2ボランチが交互に降りてギャップでしっかりとリヴァプールのプレスをいなすことが出来ていた。
ここでリヴァプールの問題になったのが、チャップリン・ハッチンソンの2人が中央に落ちてくる点だった。
まだまだ仕上がっていないフラーフェンベルフ・CB間の連携不足によって2-2のボックスで中央に受けに来る形に対してのマークの受け渡しがスムーズに行えて居なかった。
その為、チャップリン・ハッチンソンのどちらをマクアリスターは見ればよいかわからなくなっており、スムーズに展開されていた。
■後半
開幕戦のハーフタイムでスロットは早速動いた。
クアンザーに変えてコナテを投入。この意図は明確にイプスウィッチに刺さった。
先ずはコナテに代えたことでイプスウィッチの前線の要となっていたデラップへの対処。
そしてスピードがあるため、ポゼッション時素早くワイドに開いてアーノルドをボランチの位置に入れる。
そうすることでイプスウィッチの4枚の前線は中央の出しどころを消せばコナテが空き、コナテを気にするとアーノルド、フラーフェンベルフのコースが空くループに陥った。
この効果は早速、アーノルドのインナーラップからのディアスの決定機に繋がり、数分後には中央からワイドに開いたアーノルドへのマークのズレからジョタのゴールが生まれる。
アーノルドに中央で疑似的にゲームメイクしてもらう形が綺麗に後半20分までのあいだ刺さっていた。
前半の状況からしっかり修正する策を持っているのはやはりクロップにはなかったスロットの手腕である。
ここからはバーンズの負傷等でペースが落ちたイプスウィッチをコントロールしきりしっかりと勝ち切った。
フラーフェンベルフもまだまだスロット・リヴァプール始まってアンカーになり間もないため改善の余地は大いにあるものの、昨シーズンと比べた守備意識については驚くほどの改善を見せていたのでシーズンを通してどうなるか楽しみだ。